留学とは

留学の形

通訳の仕事に就くために、留学は必要でしょうか?

筆者にも一年の留学経験はありますが、現在はこのように文筆業に従事しており、通訳などの語学をいかした仕事にはついていません。

まず、留学と一口に言っても、いろんな形があります。留学経験を通訳の仕事につなげるためには、どのような形で留学に行くかが重要です。例えば最も手軽な留学は、語学留学。大学や専門学校在学中に半年間ないしは1年間行く留学で、筆者が行った留学もこれです。

学校を休学して留学する場合は、留学後の期間で卒業に必要な単位を取ることができない場合が多く、卒業を遅らせる必要があります。

大学などが提携している海外の大学に行き、留学先での単位を自分の卒業単位として認定してもらう方法もあります。日本のたいていの大学と違い、海外の大学は非常に厳しいカリキュラムを組んでいます。日本で単位を修得する際の倍以上の労力と根性がいりますが、この方法で行けば、4年で卒業できるでしょう。

役には立つが・・・

半年や一年間の留学というのは、「現地でその言語を身に着ける」ことに特化した留学です。留学先のクラスによって授業内容も使う単語や文法も異なりますが、通訳となるためのカリキュラムがあるわけでも、実習があるわけでもありません。
もちろん現地の通訳を養成する学校の場合は別です。

「一年○○に留学していました」と言えば、語学能力に自信のない人が多い日本では、「すご~い!」と尊敬され、「じゃぁもうペラペラでしょう?」と誤解されます。しかし、単にその言語を理解し話せるということと、通訳は違います。

筆者も何度か経験がありますが、片方が日本語を話し、片方が外国語を話しているのを同時に聞き分け、それぞれの言語に訳して話すというのは、非常に疲れます。相手が通訳されることに慣れていれば良いですが、大抵はいつもの会話のペースでどんどん話しかけてきますから。

つまり、通訳の仕事に留学は役には立つかもしれないが、必要というほどではない、ということです。